ダイエットで抜け毛が増えるのはなぜ?
ダイエットを長期間継続していると、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりという毛髪の変化が現れることがあります。
自己流で行う食事制限や糖質制限、リンゴだけ食べる、ゆで卵だけ食べるといった単品ダイエットなど、様々なダイエット方法が世間にあふれています。
全般的に、このようなダイエット方法は、摂取カロリーを制限する「低カロリー食」となるため、身体は栄養不足の状態になっていきます。
そのような状態が長く続くと、身体は「飢餓状態」だと判断して、自己防衛本能が働きます。
自己防衛本能が働くと、栄養分は、生命を維持するために必要なところへと優先的に運ばれ、毛髪への栄養は後回しになってしまいます。
そのため、ダイエットにより充分な栄養を摂取できないでいると、髪の育成に支障が出てしまうのです。
結果的に、抜け毛が止まらなくなってしまうこともあるので、一時的なことだと楽観してはいられません。
ダイエットによる抜け毛を回復させるには?
ダイエットがきっかけとなって始まった抜け毛の状態を回復させるにはどうすれば良いのでしょうか?
ダイエットによって起こった抜け毛は、いわゆる髪に良い食べ物と言われる「たんぱく質」をしっかりと摂取することで回復させましょう。
たんぱく質は、人間の生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源で、糖質(炭水化物)や脂質と共に、三大栄養素の一つにあげられています。
また、たんぱく質は、動物の細胞を構成する基本成分でもあります。
生命のもとであるホルモンや酵素、筋肉、臓器、皮膚、そして毛髪などを構成しています。
たんぱく質は多数(20種類)のアミノ酸が結合してできています。
アミノ酸の配列や量によって、いろいろな性質のたんぱく質が存在しているのです。
それらの内、毛髪を構成しているのが、18種類のアミノ酸が結合した「ケラチン」というたんぱく質です。
ケラチンについて
ケラチンを構成する主なアミノ酸
- シスチン
- メチオニン
シスチンは、イオウを含むアミノ酸で、ケラチンに最も多く含まれている。シスチンの原材料となるシステインは、必須アミノ酸の一つである「メチオニン」から生合成される物質。
メチオニンは、システインの原料となる成分。人体内で合成することができないため食品から摂取しなければならない「必須アミノ酸」の一種。
ダイエットによってアミノ酸が不足すると、ケラチンが十分に生成されなくなります。
その結果、
- ハリやコシのない細い髪の毛を作ってしまったり
- 抜け毛が止まらなくなったり
して、薄毛や抜け毛の髪のトラブルを引き起こす可能性があります。
「メチオニン」のように、食べ物から摂取しなければ補給できない必須アミノ酸もあるため、たんぱく質を意識した食事を心がけることが必要です。
シスチンを含む食品
シスチンを多く含む食品はつぎの通りです。
シスチンを多く含む食品
- 卵
- かずのこ
- 大豆
- イワシ
- カツオ
- サバ
- オートミール
- カシューナッツ
- ビーフジャーキー
- 豚ヒレ肉
- 鶏むね肉
などです。
メチオニンを含む食品
メチオニンを多く含む食品はつぎの通りです。
メチオニンを多く含む食品
- 卵
- サバ
- いわし
- 牛乳
- チーズ
- カツオ
- 大豆
- ビーフジャーキー
- 鶏むね肉
- 豚ヒレ肉
- しらす
- あじ
- さけ
- 切り干しだいこん
- ブロッコリー
などです。
ダイエットをすると、身体全体が栄養不足の傾向になりがちです。
食事制限を伴うダイエットには、注意が必要と言えるでしょう。
髪の健康維持のため、ダイエットを行っているときでも、髪を構成するたんぱく質をしっかりと補いましょう。